ゲハ
小さい頃、近所に「ゲハ」と呼ばれてるおっさんがいた
今思うとたぶん浮浪者で坊主頭に大きな十円玉ハゲがあった
昼間っから真っ赤な顔をしてよく酒を飲んで叫んでいたので親や近所の大人からは構っちゃいけませんよと言われていた
でも俺たちは「お、ゲハや、ゲハー、お前真っ赤な顔してなにしとんのやあ。働けぇ」とはやし立てて遊んでいた。すると真っ赤になって怒るので「うわあ、ゲハが怒ったぁ。ににげよー」と追っかけっこみたいなことしてた。向こうも結構楽しそうに見えた。
あるときゲハを急に見かけないようになった。「ザリガニ食って腹壊して死んだらしいで」という噂がかけめぐっていた。真相はわからないが少しさびしかったのを覚えている
たまたま思い出したので書いた
たいした話ではないしオチもなにもない