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rickdom

東京とチェンマイを行ったり来たり

ベルハーの魅力を紹介するよ

BELLRING少女ハート

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はじめに(飛ばしていいよ)

オレはいまBELLRING少女ハート(ベルハー)という地下アイドルグループにはまっている。いままでもアイドルやバンド、それ以外の趣味にもいろいろハマったことはあったが、今回は掛け値なしに人生最大級のハマりである

で、そのベルハーがいま大激震の渦中にある
10月10日のライブで、唯一のオリジナルメンバーを含む主要メンバー2人(人気的にもツートップ)が年内で卒業、同時に活動一時休止が発表されたのだ
ストーンズにたとえて言うと「ミックとキースの脱退が発表され、残りメンバーで立て直すため活動休止(休止期間は未発表)」という状態なのだ

もともとメンバーの出入りは激しいグループだが、1年前から見はじめたオレにとって現在の5人こそがベルハー、とくにオリジナルメンバーの朝倉みずほはあらゆる意味でベルハーを象徴する存在だ。グループがなくなるわけではないが、そのダメージは限りなく大きい

とは言えメンバーと運営が決めたことをファンが覆せるわけもない。幸いいきなりではなく年内はこの5人で活動を続けるので、最後まで可能な限りライブに参加するつもりだ

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で、ここからが本題なのだが、オレには少しでも多くの人に「一度でいいからオレの大好きなベルハーのライブを、今の5人のライブを見てほしい」という思いがある
今のベルハーのパフォーマンスは技術的にもテンション的にも過去最高の状態(オレ基準)だ。アイドルというくくりをなしにしてもこれほどパワフルかつエモーショナルなライブを行っているグループはなかなかないと断言していいと思う
もちろん人がなにを好きになろうが勝手だし、「大きなお世話だ」と思う人も多いだろう。また、実際見たとしてもまったくなにも感じない人も出てくるだろう
でもオレ自身、友達にすすめてもらって好きになったバンドや映画はたくさんあるし、人がなにかについて熱く語っているのを聞いたり文章を読むのは大好きだ
なにより「でもアイドルでしょ」という理由で敬遠されているとしたら、それは本当に本当にもったいないことだと思う
facebookなんかではもう何度も何度も友達にすすめて「またか」と、そっ閉じされているのだが、でもほんと、今の5人のためにできることを少しでもいいからやりたいし、オレにできることはこれくらいしかないからないので許してほしい

初見のインパクトが強烈だったので、ほんとは「間違いなくすばらしいからなんの前知識も入れずに見に来てね」と言いたいところだが、それじゃ誰も来ないに決まっているので、ここではこのグループの魅力について、アイドルなど見たことないという人にも伝わるように書いてみようと思う。うまく書ける自信はないのだが……

基本情報は公式サイトで
BELLRING少女ハート公式サイト AqbiRec.inc


楽曲

ベルハーはこれまでシングルをのぞいてフルアルバム3枚、ミニアルバム1枚と計4枚の音源を出しており、レパートリーは50曲を超える
様々な曲調が存在するが、AKB48ももクロ、でんぱ組、Perfumeなど、いわゆる世間一般でイメージされるようなキラキラした“アイドル曲”は皆無である
その多くはきわめてダークで、ときに激しくときに静謐に、聞くものの心を撃ち抜く
ジャンル的には、UKロックを基調に、サイケ、グランジ、ガレージ、エレクトロニカ、ハードロック、ジプシーブラス、など楽曲ごとに様々な要素が取り入れられている
だが(多分意識的に)避けてるジャンルも多い。例えばパンク、メタル、EDM、ダブステ、ヒップホップ、ネオアコなどだ
他のアイドルとのかぶりを避けることもあるんだろうけど、それ以上にディレクター田中紘治の嗜好・美意識に貫かれている。そこが魅力なのだ

Soundcloudに公開されている中で、特に好きな曲をいくつか紹介する

soundcloud.com
はじめて聞いた時、舌っ足らずで調子っぱずれだが、とろけるように甘くて魅力的な声に衝撃を受けた曲
冒頭のパートを歌っているメンバー(TIRA)はとっくにいないのだが、ボーカルの危うさは現メンバーにも踏襲されておりライブでの破壊力はすごいものがある
このボーカルが「歌がヘタ」として敬遠されることが多いのだが、それは本当にもったいないとしか言えない。ボーカルの魅力がメロディーをなぞる技術の巧拙だけで判断できないということは好きなアーティストにあてはめれば多くの人にご理解いただけるのではないだろうか
だいたい音源はまだまだぜんぜんきちんとしている。ライブではむしろこの2割増しくらいに酷くなるので期待してほしい
(これは「わざとヘタに歌っている」わけではない。彼女たちは懸命に歌っている)
曲調的にはジェファーソン・エアプレインやママス&パパスなんかを想起させるギターやオルガンが印象的だ。1stアルバムにはこの手の曲調が多く、今でもサイケロックを標榜しているのはこのあたりの印象が強いからであろう。


soundcloud.com
サイケと並んでベルハーの楽曲を形容するときにつかわれるジャンルがグランジだが、実はサイケに比べてグランジの要素がある曲はさほど多くない
その代表といえるのがこの曲だろう
ファズファズに歪んだ攻撃的なギターリフと手数の多いドラムにのせて、絶望の果てに見えるわずかな希望を歌うグランジのスピリッツを見事に表現した曲
別れの曲であるにもかかわらず、多くのライブでクライマックスに使われ、フロアはリフトとダイブでグチャグチャになる

soundcloud.com
実はオレがはじめて聞いたベルハーの曲がこれ
一聴してわかる人はわかると思うが、Blurの「Song2」である
オマージュというには少々厳しいパクリっぷりである。元が名曲なだけありライブでもものすごく盛り上がるため、ベルハーのファンじゃない客が多いフェスなどでは1曲めにつかみとして演奏することが多い
なお、パクリが多いと言われることもあるが、リフをまんま使うようなあからさまな引用はこれのほかはあと2曲くらいだ
もちろんそれ以外の曲も様々なバンド(主に英国)の影響は受けておりネタ元を探すのが楽しみのひとつではある

soundcloud.com
激しい曲が多いと思われているベルハーだが、実はそうでもない
この曲のようなエレクトロニカをベースにした聞かせる曲もかなり多い
ライブのセットリストでもぶち上げ曲の間にこういう曲をしれっと入れてくることが多く、この緩急の差が魅力のひとつだ
暗く静かめな曲だけをやる「ベルハー・イン・ザ・ダーク」という定期企画ライブもあるくらいだ


soundcloud.com
最新アルバムからの1曲。ハモンドビブラフォンの響きが印象的なガレージロック歌謡で個人的に3本指に入るくらい好きな曲
意図的にモノラル録音だったりする


soundcloud.com
ストリングスが気持ちいいEVERYTHING MUST GOあたりのMANIC STREET PREACHERSを感じる叙情UKロック。これも3本指に入るくらい好き(もう1曲は「タナトスとマスカレード」。「asthma」は別格)


パフォーマンス

楽曲のよさはもちろんだがベルハーの真骨頂はやはりライブだ
オレ自身アイドルにハマってない頃は「現場に来ないとわからないよ」と散々友人から言われてきて、それが本当に嫌で嫌で避けてきたんだけど、ベルハーのライブに通うようになって、たしかにそうだよな、そうとしか言いようがないよなと納得してしまった
ライブの様子はYouTubeなどで見れるが、やはり一度はライブハウスに行って熱気を生で感じてほしい。そこで判断してほしい
(とは言え自分もなかなか行ってみようとは思えなかったので気持ちはわかる。そこが本当に悩みどころだ)

ベルハーはバンドではないので演奏はしない。カラオケにあわせて歌い踊る一般のアイドルと同様の形式だ
だが一般のアイドルと異なるところも多い
まず、MCが少ない。長尺ライブでは多少入ることもあるが、30分程度のライブだと基本ノンストップだ。アイドルにはお約束の自己紹介や告知もめったにやらない
あとここが重要なのだが「おまえらもっと声出せ!」といった煽りMCや、前方の客に向かって手を振ったりウィンクしたりといったレス(ファンサ)も(一部の曲をのぞいて)ほとんどない
要は一般的なライブパフォーマンスでは重要な要素のひとつである「観客とのコミュニケーション」が極端に少ないのだ。

これはオレの印象なのだが、ベルハーのライブというのは演者と観客がコミュニケーションを取りながら熱狂していく一般の音楽ライブよりも、演者のパフォーマンスを観客が黙って鑑賞する演劇(歌劇)に近いのだと思う
はじめて見たときはオレの好きな「東京グランギニョル」や「月蝕歌劇団」といった80年代アングラ演劇を連想したものだ
だが、演劇と違うところは観客も黙って鑑賞するだけではなく、熱狂的に感情を表現することが許されているところだ。これについては後述する

演劇的なベルハーのステージでは脚本の代わりに楽曲を使い、歌い踊ることで表現を行う
その表現は極端にエモーショナルだ
恋愛や乙女心といったアイドルソングに多い題材はほとんどない(あるにはある)。多くは抽象的な歌詞で別れや悲しみや焦りや救いを希求するものばかりだ
地上アイドルのような美しくかわいい歌唱もピッタリと揃ったダンススキルもないが、彼女たちは楽曲の世界に入り込み、髪を振り乱しながら己の限界まで怒り、挑発し、号泣し、歌い踊る
実際ライブ後半には体力的にもガタガタで満足に立てないメンバーもいる。それほどまでに心身ともに激しいライブなのだ
しかも彼女たちはそのライブをほぼ毎週末、年に100回以上は優にこなしているのだ


20160828 BELLRING少女ハート low tide(後半の取り憑かれたようなダンスに注目)


強権的な演出家(田中ディレクター)がすべて(メンバーだけではなく楽曲、振付、舞台装置なども)をコントロールし、メンバーは与えられた役を忠実に演じるが、その演出からはみ出て飛び出してくる役者自身の個性も魅力となって観客の心を揺さぶるところも演劇とよく似ている

50曲を超えるレパートリーを持つベルハーは、演目であるセットリストも毎回異なる。短いステージではわかりやすく盛り上がる曲を連発することも多いが、それでも必ずどこかに暗く重苦しい楽曲、静謐で清らかな楽曲を入れて緩急をつけてくる。セットリスト=脚本なのだ。観客は毎回セットリストの妙でエモーションを揺さぶられ続けるのだ

あと、これは触れなくてはならないのだが、よく言われる「ベルハーは歌がヘタ」はまごうことなく事実である
少し擁護させてもらうと、自分で歌ってみるとわかるがベルハーの曲メロはものすごく難しい。あれを完璧に歌いこなすにはかなりのスキルと音域が必要となってくるのは間違いない
そしてオレはこう理解している。「ベルハーのパフォーマンスはメロディーを正確になぞることではなく、感情を観客に伝えることに極端に重きを置いている」のだと
詭弁に思えるかもしれない。いや、実際そうなのだが、「隙のないおじょうずな歌よりも、危なっかしい下手くそな歌のほうがダイレクトに感情が伝わってくる」というのは事実であり、田中Dのうまい(酷い)のは、メンバーに絶対に出せない音域のパートを割り当てたうえで「裏声禁止」と言い渡すなど、どうやっても歌いこなせない状況を作り、意識的に利用しているところだ。

youtu.be


最後にフロア(観客席)について書く
ベルハーのライブはヲタ(ファンのことをアイドル界ではこう呼称する)が暴れまわって怖い、厄介だとよく言われる
実際ベルハー現場は他のアイドル現場で禁止されているモッシュ、ダイブ、リフト、サーフ、などあらゆる迷惑行為が放置されている(推奨されているわけではない)。ラウド系バンドのフロアを想像してもらえればいいと思う
ヲタたちは感情をぶつけてくるメンバーのパフォーマンスに呼応し熱狂し暴れまわりメンバーの名前を力の限り叫び時には感極まって泣き崩れる


youtu.be(臨場感溢れるファンカム)

だがそれだけではない。ベルハーのフロアのいいところは本質的に自由なところだ。コールやMIX、フリコピといったお約束を半ば強要されることも多いアイドル現場だが、ベルハーのフロアではそんなことはほとんどない。各々が好きなスタイルで鑑賞している
もちろんみんなと声をあわせてコールを入れるのも楽しいが。微動だにせず棒立ちで凝視している人も多い
あと特筆すべきは撮影も基本的に自由なところだ。YouTubeで検索するとヲタが撮ったライブ映像が溢れるほどひっかかってくる

個人的なことを書くと、オレ自身いままでライブでは声など出さず、ひたすら後ろの方で腕を組んで見ているタイプだった。みんなで合唱したり、ましてや肩を組んで涙したりなんて死んでもやらないと思っていた


だが、今は毎回ベルハー最大のアンセムである「asthma」で泣きながら肩を組んでぐるぐるまわっているのである
このなんだかよくわからない多幸感、一度体験してほしい

(オレも見切れまくってる)


アイドルとして

ここまでアイドルとしては特殊な部類に入るベルハーの魅力について書いてきたが、ベルハーはアイドルとしてもめちゃめちゃ魅力的なのである
地下アイドルのライブは終了後に特典会と呼ばれるメンバーと握手や写真(チェキ)を撮れるふれあいイベントがあるのだが、ベルハーもほぼ毎回行っている
さきほどベルハーのライブは観客とのコミュニケーションを拒否する一方向性的なものと書いたが、双方向的な要素はこの接触イベントに集約されている
これに関してもそうだが、田中Dのうまいところは、単にアイドル的要素のアンチテーゼにとどまるのではなく、アイドルフォーマットを極力利用しながら自らの表現したいことを一切妥協せずに提示しているところだ

ベルハーの場合、ほとんどがお気に入りのメンバー1人とチェキを撮れる「個別チェキ会」という形態になっている
具体的にはライブ終了後にメンバーごとにチェキ列と呼ばれる列が形成される。最後尾の人がメンバーの名前と写真が書かれた札を持っているのでそこに並び、順番が来たらスタッフ(田中Dが多い)にそのメンバーと好きなポーズでチェキを撮ってもらい、あとは時間(1分程度)が来るまでお話をするという仕組みだ。いっしょに撮るのが恥ずかしい場合はメンバーだけを撮ってもらう(ピンチェキと言う)こともできる
なにを話せばいいのかわからないと思うかもしれないが、「はじめて来ました」とでも言っておけばあとはメンバーがリードしてくれる
ステージでの神々しさがウソのように普通にかわいい女の子に戻ったメンバーの魅力にきっとやられてしまうことだろう

チェキは1枚500円、そこにサイン(落書き)をしてもらうと1000円だ
もちろん好きな子と撮ればいいのだが、アイドルは推しを作ると格段に楽しくなる。(特に推しを決めずグループ全体を応援するスタンスは「ハコ推し」と呼ばれる)
ヲタの総数もさほど多くはないので、2,3回も通えばすぐに名前を覚えてもらえるだろう。ここからが沼である……。

ちなみにオレの推しは「仮眠玲菜」と「甘楽」
同一グループで推しを2人作るというのはタブーとまではいかないが、あまり歓迎されることではないのだが好きになってしまったものはしょうがない。しょうがないんだよ!!

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鼻の下を伸ばす筆者

なお、各メンバーについての紹介はあえて省く。推しは自分で見つけてほしい


その他

他にも書きたいことはたくさんあるが、最後に衣装とアー写について触れておこう

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ベルハーの衣装は基本的にこの黒いセーラー服にカラスの羽根を付けたこれしかない
カラフルでフリフリな衣装がほとんどのアイドル界においてこの姿は異彩を放ちまくっている
メンバーたちはかわいい衣装を着たいといつも言っているが、この衣装こそダークなベルハーの世界観を端的にあらわしている象徴なのだ

あと、この写真もそうだが、ベルハーのアー写(宣材用アーティスト写真)はことごとく変顔をさせられている。もちろん意地の悪い田中Dが意図的にやらせているのだが、実際のメンバーは本当に美少女揃いである。まあ惚れた贔屓目も多分に入っているが、、これも現場で確かめてほしい


最後に

ながながと書いてきたが、この文章はあくまでオレ個人の感じ方を元に書かれている
オレはまだ通いはじめて1年たらずの新規なので、昔から見ている方から見ると見当違いのことも書いてあるかもしれない
アングラ演劇とかないわーと思う人ももちろんいるだろう
ごめんね



ぜひ一度行ってみてください

冒頭にも書いたが最強の現体制でのライブは年内で終了である
お願いだから一度だけ、一度だけ足を運んでほしい

今後のライブをまとめてあるので参考にしてほしい

docs.google.com

ただし、ベルハーのライブは告知が極端に遅い
極端な場合前日告知なんてこともある
恐らくこのリスト以外もこれから告知されていくことだろう


なお、詳細はまだ不明だが12月22日(木)には赤坂BLITZでワンマンライブが決定した
大箱でこの5人を見れる恐らく最後の機会になるだろう
なんとしてもメンバー5人に満員のフロアを見せてあげたい
平日だが、これを読んでなにか感じた人はぜひ、ぜひ、足を運んでみてほしい
絶対に後悔はさせないから、とは言えないが、



あと、はじめてライブに行くのが不安だという人はTO(トップヲタ)のみうらさんによるこの解説記事を読んでみてほしい

miurassan.blogspot.jp




音源

まずは音源から聞いてみたいという人はベストアルバムをおすすめする

BEST BRGH

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また、OTOTOYでは絶盤になった1st、2ndを含めほぼ全音源をハイレゾデータとして購入できる

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soundcloud.com

DVDも出るよ!!

youtu.be

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オレは年内は恐らく全現場にいるつもり。せっかく顔も晒したんだからよかったら声かけてね
では現場で!